【諫早市】教育格差をなくしたい!元小学校教諭が運営するバスターミナル学習室の挑戦
ここは諫早駅前バスターミナル2F、ショッピングセンターサンコーの一番奥まった場所にある「バスターミナル学習室」です。バスターミナルで学習室?ナニソレ?と思う方も多いでしょうが、こちらでは教育格差をなくす取り組みがなされています。
↑室内はこんな感じ。種々の理由で学習面に「学び残し」がある小中学生の子どもたちが平日の放課後や休日に来て、学校の宿題や予習復習などを行っています。学習室がスタートしたのは、2019年4月から。現在、諫早市近郊の100名ほどが登録・利用しています。
↑写真奥が創設者で室長の岩永先生です。岩永さんは元々小学校教諭でしたが、在職中、各家庭の経済的な事情で学力差が生じることに懸念を感じ、学び残しのある子どもたちを救済したい、その活動に身を捧げたいという一心で退職した情熱の人です。
クラウドファンディングで運転資金を集め、通ってくる子どもたちには年間800円の保険料以外の出費を一切させないという徹底ぶり。自らは、建設会社の事務やホテルの夜勤で生計を立てるという涙ぐましい努力をされています。
子どもたちは放課後、バスに乗って駅前ターミナルまでやってきます。行き帰りの安全性が確保され、時間も決まっているため安心して通うことができるのがメリットです。バス賃も学習室が負担するので、生徒側の手出しはありません。
↑学習室には岩永先生のほか、20名ほどのボランティアスタッフが登録しており、各自の時間がある時に来て、子どもたちに勉強を教えています。
勉強だけでなく、地域とのかかわりを持ったり、心を豊かにする活動にも力を入れています。上写真は小豆崎町にある妙本寺に行って、掃除を行ったり座禅を組んだりした時の模様。きっと心も身体も清められたでしょう。
↑こちらは職業体験ということで、建設現場の重機に乗せてもらった時の様子。長崎県建設協会諫早支部の協力を得て実現した企画とのことです。
↑大村市の三彩の里で障がい者の方と一緒に陶芸をしたり……
↑ホテルグランドパレス諫早でごちそうを食べながらテーブルマナーを学んだりと、様々な経験を通して子どもたちの社会性や、地域を愛する気持ちを育んでいます。
↑毎回、学習時間の終わりには同じフロアにあるサンコー商店街に繰り出し、お店の方々と交流したり、ちょこっとお手伝いもしています。
こんなに素敵な活動を行っている学習室ですが、2021年3月にはこちらのバスターミナル自体が駅前の再開発にともなって解体されるため、現在引っ越し先を探しているということです。無事にいいところが見つかると良いですね!
まず授業の学び残しをなくし、次いで自分の将来に夢や憧れを抱き、最終的には地域の発展を願って社会貢献ができる子どもを育てたい――始まったばかりのバスターミナル学習室・志の旅。行きつく先に幸せがあるよう見守っていきたいですね。
バスターミナル学習室の地図はこちら↓