【諫早市】高来町が生んだ書の巨匠・廣津雲仙の生誕110周年記念展が、市美術・歴史館で開催中。10月11日まで
風も涼しく感じられるようになってきた芸術の秋。書の魅力がたっぷりと味わえる催しが現在、諫早市美術・歴史館で開かれています。高来町出身の書家・廣津雲仙の生誕110周年を記念した作品展です。期間は2020年10月11日まで。
ひとくちに書と言っても、いろいろな作風のものがあります。上写真の作品題目は「和」ですが、もはや文字というよりも水墨画に近いですね。
↑こちらの作品はふだんは悠恵荘さんという特別養護老人ホームに所蔵されています。このように今回でなければ一般の目に触れることのないものもあるので、貴重な観覧機会です。
↑こちらは現代日本書法集成という、1975年に小学館から刊行された書籍の原本。楷書・行書・草書・隷書という各書体の教則本だったそうで、整った文字の美しさに思わず息を呑んでしまいます。様々な書体を正確に使い分ける技術力の高さにも感嘆せずにいられません。
↑このような力強い筆づかいのものもあれば…
↑こういった繊細な筆致のものもあり、表現の幅広さに思わずうなってしまいます!
↑中には大人の背丈の2倍はあろうかという、スケール感と迫力がすごい大きな作品もあります。静謐な空間で、じっくりと巨匠の魂を感じてください。
↑廣津雲仙本人が愛用した筆や硯、文鎮などの実物も展示されています。超一流の書家だけに、道具に対するこだわりも人一倍だったそうです。
雲仙は、書家として日展で特選や内閣総理大臣賞を受賞しながら、日展の審査員や理事を長きにわたって務めた日本書道界の重鎮でした。1954年には墨滴会という書道研究団体を立ち上げ、全国に門下生を持っていたとのこと。1981年には旧高来町の名誉町民にもなっています。
ふだん書道に親しんでいない人でも、きっと心に感動を刻めると思いますので、興味を持たれた方はぜひ足を運んでみましょう。専門員の大島さん、ご説明などありがとうございました!
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